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入賞目前の7位フィニッシュ 雨の中でこそテクニックが光る

86/BRZ Raceでは第2戦SUGO - 第4戦岡山 - 今回の第5戦十勝と、なぜか雨が多い。思い起こせばDTECチーム・マスターワンは開幕前のテスト時から雨に祟られている。
ウエットレースではタイヤのグリップダウンは免れない。ブレーキング、コーナリング、アクセルワーク全てがよりシビアになるが、坂本選手のテクニックなのか、76号車のセッティングがマッチしているのか、あるいは両方かで、雨を味方にしてるかのような良い結果が得られている。


完全なドライコンディションだった午前中の予選は15位。しかし正午を過ぎたあたりから雨が降りはじめ、ひとつ前のプログラムであるヴィッツレースでは大粒の雨が襲った。雨は本戦までに止んだが、路面は水捌けが悪く完全にウエット。本戦時では多くのドライバーがスタートを決められず、第1コーナーでは団子状態での進入となった。その前走車の塊に坂本選手が76号車をイン側にねじ込み、1周目で6つポジションを上げて9位。その後、坂本選手はトップを独走する山野選手と遜色ないタイムで前走車をパスして行き、11周目には7位。10秒ほど前を走る6位の車より毎周約2秒縮めているのだが、残り4周では足りず、入賞の6位まであと一歩だった。


ポールポジションは大西選手、2位は山野選手。2人ともいいスタートではなかったが、それでも山野選手が前に立ち、トップを明け渡してしまった大西選手に1周あたり1秒以上の差を付ける、いつもの独走かと思われた。
しかしそのシナリオは崩れかけた。このレースに初出場となる5位スタートの佐々木孝太選手が4周目に2位へと上がり、山野選手を追いかけ始めたのだ。7周目あたりから再び降り出した雨は次第に強くなりはじめた。山野選手は予選でタイヤを使いすぎたのか、ラップタイムが落ち始める。そこを佐々木選手が追い詰めていく。
結果としては山野選手がトップを守り切り、佐々木選手は2位となった。3位には富澤選手が入った。
開幕戦ではブリヂストンが圧倒的な速さを見せ、他メーカーのタイヤでは太刀打ちできないのではないか、というムードだった。しかしヨコハマやダンロップもそれなりの進化を見せ、少なくともドライ路面ではブリヂストンに迫るタイムを記録している。
しかしウエット路面では大きな差があるようで、今回の表彰台は3人ともブリヂストンユーザーとなった。
次戦オートポリスは、アップダウンが激しく低速・高速コーナー入り乱れるテクニカルサーキットだ。入賞に迫ることができたDTECチーム・マスターワンは、さらなる進化を果たしていくことだろう。