Report

ついに今季初の富士開催
白熱したレースに苦戦

 夏を感じさせるほどの強い日差しの中、富士スピードウェイはそれ以上にヒートアップしていた。GAZOO Racing 86/BRZレースは第3戦、今季初の富士スピードウェイでの開催となった。
全10戦で行われる今シーズン、そのうちの4戦は富士スピードウェイで開催される。つまり今回のレースは続く3つのレースのためにも、そしてシリーズの行方を占うためにも、重要な1戦ということになる。しっかりしたセットアップを見い出し、単なる速さだけでなくタイヤマネージメントについても、データを作っておきたいところだ。
それはDTECチーム・マスターワンも同じで、2カーエントリーであるメリットを生かして、路面温度が高い6月、7月、9月に開催されることを前提に、タイヤをしっかりとチェックしておきたいところだ。そんなこともあって、富士スピードウェイは気温以上に熱くなっていた。
タイヤメーカーの争いも激化している。昨年苦しんだヨコハマが新型タイヤを投入すれば、迎え撃つブリヂストンは進化版を登場させた。ダンロップ、グッドイヤーは3月に新型、4月にはさらにその進化版と連続して86レース専用スペックのタイヤをリリースした。どんなレースでもタイヤの性能がタイムを大きく左右する。マシンの性能差が小さい86/BRZレースでは、その傾向がさらに強まる。
DTECチーム・マスターワンは、昨シーズンはブリヂストンを使ってきたが、今シーズンは事前テストで結果が良かったヨコハマを、開幕から採用している。ライバルに対して優位性が大きいうちに、ある程度の結果を得ておきたいところだ。

 84台という大量のエントリーで、予選は2つの組に分けて実施、DTECチーム・マスターワンの2台は、いずれも1組となった。この1組は前戦で優勝した谷口信輝選手やチャンピオン山野直也選手、そしてスポット参戦した現役スーパーGT500クラスのドライバー大嶋和也選手と、有力選手が集中した。
76号車の菊地靖選手は、予選開始早々に2分7秒を切る2分6秒987をマーク。これは昨年のコースレコードを1.2秒以上短縮するタイムで、予選上位が期待された。しかし有力選手がアタック開始を遅めにしていたこともあり徐々に順位を落とし、最終的に1組の6位を獲得した。
一方、97号車の小河諒選手は、予選を一発で決めることができず、3度目のアタックで2分7秒416をマークし、予選1組の12位となった。
最終的な予選順位は、同じ1組の谷口選手が驚異の2分5秒988を記録し、全体のベストとなったため、菊地選手が11番グリッド、小河選手が23番グリッドからのスタートとなった。

翌日の決勝レース、朝から日差しが強く、路面温度が上昇していた。路面温度が高いと、タイヤの消耗が激しくなり、レース後半のタイム低下が大きくなる。タイヤの使い方もレース戦略で重要になる。
レースは谷口選手がポールポジションから好スタートを決め、トップグループがそれに続いた。しかし8番手以降はダンゴ状態で、混雑・混乱していた。結果として菊地選手は10位、小河選手は25位で、1周目を終える。
 小河選手は周囲のマシンよりもラップタイムが優れていたこともあり、順調に順位を上げていく。4周目に23位、6周目は20位、そしてファイナルラップには19位で入っていった。しかしダンロップコーナーで後続のマシンに追突されスピン、最終的には25位となった。 一方、菊地選手は混雑したレースの中で苦戦を強いられ、10位でゴールした。


Comment from Drivers

今回は混戦で、ちょっとしたことで順位が入れ代わるような展開でしたね。正直なところ、ブツケてでも前に出ようと思えばできるんですが、クリーンなレースをしたいですよね。上位の5〜6台だけがレースをしているような状況ですね。タイヤは最後までグリップ感が安定していて、路面温度が高くなっても、とくに問題はないと思います。   1周目で接触してしまって順位を落してしまったんですが、そこから少しずつ上げて行きました。ただ何度か接触もあって、クルマを少し壊してしまいました。最終ラップでダンロップコーナーで追突されてスピンして、順位を落しました。やっぱり予選で5列目以内でスタートしなければ、レースにならない感じですね。次はもっと予選をガンバリます。
#76 菊地靖選手 
予選1組6位 11番手スタート 決勝10位
#97 小河諒選手 
予選1組12位 23番手スタート 決勝25位