Round 7 レポート

元嶋選手は持ち前の勝負強さを発揮し9位

11月25日(土)～26日(日)、静岡県小山町の富士スピードウェイでTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの第7戦が開催された。最終戦にふさわしく、プロフェッショナルシリーズには今シーズン最多となる41台がエントリー。土曜日に15分間の予選、日曜日に10周の決勝というスケジュールで行われた。

トヨタモビリティ神奈川DTEC TEAM MASTER ONEはレースウィークの木曜日に現地入り。高橋知己選手（97号車）は第5戦で発生したクラッシュによる怪我のため、引き続き欠場となったが、現地には駆けつけ、復帰に向けてチームをサポートする元気な姿を見せてくれた。元嶋佑弥選手（98号車）1台のみの参戦となるが、先日行われたSUPER GT最終戦で念願の初優勝を飾っており、勢いにのっているだけに期待したいところだ。

土曜日の天候は曇。暖かい日が続いていた11月初旬とは打って変わり、寒波が予想される天候の下、12時10分から15分間の公式予選が行われた。数名を残し、ほぼ全てのドライバーが予選スタートと同時にコースイン。元嶋選手もすぐにアタックを開始するも、冷えた路面でのタイヤの熱入れに苦戦。

通常はワンアタックが主流のGR86/BRZ Cupだが、ほとんどのドライバーが複数回のアタックを行う展開となり、元嶋選手は3周目に2分00秒316をマーク。8番手につけることができたが、走路外走行によるタイム抹消ペナルティを受け、予選の正式結果は16位（2分00秒648）となった。

オープニングラップでの多重クラッシュをくぐり抜け、ポジションアップ

日曜日は心地よい秋晴れ。11時から10周の決勝レースが行われ、元嶋選手はイン側、16番グリッドから順当なスタート。前を追う体勢に入るも、1コーナーで多重クラッシュが発生。元嶋選手は混乱をくぐり抜け、12位にポジションアップするも、すぐにセーフティーカー（SC）が導入される。2周目に赤旗が振られ、全車ホームストレートに停止。

11時30分に隊列が動き出し、4周目からレース再開。12位走行中の元嶋選手はSCによる先導走行中にタイヤを入念に温め、順当なスタートをきる。着実に前との距離を詰めると、4周目を終える頃には11位にポジションアップ。その後、前を走るドライバーにドライブスルーペナルティが科され、6周目に10位へ。その後は4台での8位争いに加わり、9位でチェッカー。コントロールライン通過の瞬間まであきらめることのない粘り強い走りで、ポイントを獲得した。

刻一刻と変わる路面温度にどのチームも頭を悩ました富士大会。チームのホームコースである富士で表彰台に登ることはできなかったが、チームとしての安定感は増しており、苦戦する中でもポイントを獲得するなど、最終戦にふさわしいレースとなった。2023年のシリーズランキングは元嶋選手が8位、高橋選手が15位。2024年シリーズでの飛躍を期待したい。